ホーンを純正から社外品に交換しても車検に通るのでしょうか?
基本的には保安基準を満たす状態であれば社外品でも車検に通すことは可能ですが、中には保安基準に適合しないホーンが売られているので注意が必要です。
ここでは、車検の項目にあるホーンの基準や増設した場合の車検時の扱いのほか、ホーンマークの基準についてもまとめているので、社外品に交換を検討している方の参考にしていただけたらと思います。
車検の項目にあるホーンの基準について
ホーンは、クラクションまたは警音器と呼ばれる車の装置で、危険を回避するために音を出して周囲に自車の存在を知らせるための装置です。
そのホーンの保安基準ですが、道路運送車両の保安基準第43条の第2項・第3項の告示で「ホーン音の大きさが前方7メートルの位置で112db以下87db以上であること」や、「警音器の音は連続するものであり、かつ音の大きさ及び音量が一定なものであること」と定められています。
また、音が自動的に断続したり音量や音色が自動的に変化するものや、運転席から音量や音色を変化させることが容易にできるものは、保安基準に適合しないと定められています。
ホーンを社外品に交換していても車検に通るのか?
ホーンは保安基準に適合していれば社外品のホーンに交換していても車検に通ります。もちろん純正でも社外品でも車検時には故障等がなく音が鳴る必要があります。
よく社外品に交換したら車検に通らないと言われることがありますが、それは定められているホーンの基準から外れる規格のホーンを取り付けているから通らないのであって、純正であることという定めはありません。
純正以外でも保安基準に適合しているホーンはあるので、適合しているホーンの中で好きなものに変更する場合は車検時に純正に交換する必要もなくなります。
ホーンの適切な音量とはどれくらいの大きさなのか?
ホーンの音量は保安基準で前方7メートルの位置で112db以下87db以上と定められていると紹介しましたが、その数値としての音量は一般的な感覚ではどのくらいの大きさの音なのでしょうか。
例えばホーンの最小音量である87dbは、ピアノの1メートル傍で演奏音を聞く音(80db)よりも大きく、犬の吠える声や工場内の騒音(90db)とだいたい同じくらいの音量になります。
人が多く騒々しい街頭の騒音が70dbとされていますので、そのような騒音の中でも聞こえほどの大きな音量ということになります。
また、最大音量である112dbは、ヘリコプターの傍(110db)とだいたい同じくらいで近くで鳴る雷の音(120db)よりは小さい音量になります。
社外品のホーンで確認されるのは音色や音の変化等のほうが多く、よほど耳障りで大きな音量のものでない限り音量について車検時にホーンの音量を測定されることはないかと思います。
ホーンボタンには基準があるか?
ホーンボタンにもホーンと同様に基準があり、これを満たさない場合は車検に通りません。
ホーンボタンの基準は、道路運送車両の保安基準第43条によってハンドルの中心から左右500ミリ以内の範囲に配置して、運転者が容易に操作できるものでなければならないと定められています。
また、ホーンボタンとわかるようにホーンのマークがついていることと定められています。
もちろん、ハンドル操作に影響を与えるような取り付け方や、過度な突起など危険なものとなる形状は保安基準に適合しないものとなります。
これらの基準に適合していれば、ホーンボタンの交換や移設をしても車検に通ることになります。
ちなみに上記の「ハンドルの中心から左右500ミリ以内の範囲に配置」というのは、ホーンボタンだけでなくウインカーやワイパーなど運転の際に操作を必要とする装置のスイッチ全般に適用される保安基準になります。
ホーンを増設したり切り替えスイッチをつけても車検に通るか?
ホーンの増設は、音量や音色など先に紹介した保安基準に適合する範囲内であれば車検に通すことができます。
例えば、軽自動車や小型車などで1つしかホーンの音が鳴る部品がついていない車で、2個の電子ホーンが1セットの社外品のホーンに交換したとしても、音量や音色はもちろん、取り付け位置などに問題なければ車検に通すことができます。
ただ、もとからあった純正ホーンに社外品のホーンを追加して3つ同時に鳴るようにする場合は、ホーンの種類によっては合計の音量が保安基準の上限値を超えてしまうこともあり、その場合は保安基準不適合となります。
また、純正のホーンと社外品のホーンを併設するなど2種類以上のホーンを車に装着して、運転席からスイッチ操作でホーンの切り替えをできるようにすることは、保安基準不適合となり車検に通りません。
これは運転席から音量や音色を変化させることが容易にできるものは保安基準に適合しないと定められているためです。