ラジエーター液(クーラント液)が漏れていれば車検に通すことはできません。
万が一漏れが発生していれば修理が必要になりますが、それなりの金額になることも多いために場合によっては買い替えの検討のきっかけにする人も多いでしょう。
また、ラジエーター液(クーラント液)はエンジンを冷やす働きがあり、漏れが発生した状態で走行しているとオーバーヒートを引き起こす可能性もあるため、漏れが確認できたら車検を待たずにできるだけ早いうちに点検や整備を受けるようにしましょう。
ここでは、ラジエーター液(クーラント液)の漏れによる車検の扱いや点検方法、修理時の費用についてまとめているので、液漏れが見つかった場合の参考にしてみてくださいね。
クーラント液漏れは車検に通らない原因になる?
クーラント液(ラジエーター液)が漏れている場合は、そのままでは車検に通りません。車検を通すためには漏れの修理が必要となります。
走行にも支障が出てくるので車検の実施までに期間がある場合は、車検を待たずに修理することをおすすめしますが、それなりの金額がかかることが多く、場合によっては修理か乗り換えかの検討も視野に入れておいた方が良いでしょう。
そのため、クーラント液が漏れている場合は特に、車検を依頼する店舗の比較をしておいた方が費用面で有利です。金額が大きい場合は特に、依頼先によって金額の差が出てくるためです。
できるだけ費用を抑えて車検を行いたい場合の依頼先選定については、最安値の車検依頼先を探す方法がおすすめです。
クーラント液の働きと水温警告ランプ点灯時の対応について
クーラント液は冷却水とも呼ばれる液体で、主にエンジンを冷却するという役割を持っています。クーラント液は赤色もしくは緑色の液体で、一般的な水と異なり100度以上になっても沸騰せずサビの発生を防止する効果もあります。
エンジンを冷却する仕組みですが、エンジンの内部を通ってエンジン熱を吸収したクーラント液は、ラジエーターにつながるホースの中を流れていきます。
そして、ラジエーターの中を通過する際にラジエーターに当たる風によって熱が冷まされます。温度が下がったクーラント液は再びホースを通ってエンジンに向かいます。
このクーラント液の循環は、エンジンに設置されているウォーターポンプというポンプが水流を発生させていることによります。
このクーラント液が循環する部分のどこかでクーラント液が漏れてしまうと、いずれエンジンが冷却できなくなってオーバーヒートしてしまいます。オーバーヒートしてしまうとエンジンが熱暴走によって故障してしまい、最悪の場合は火災が起きてしまいます。
そのため、クーラント液の漏れは重大な整備不良となり車検に通すことができないというわけです。
運転中のクーラント液の温度は、運転席のメーター内にある水温計でおおよその温度を確認することができますが、最近の車は故障の理由を除いてオーバーヒートをすることがほぼなくなったため、水温計がついていない車種も増えています。
その場合はエンジン始動直後の低温状態を示す低温ランプと、通常の温度域を超えて水温上昇する際に点灯する水温警告ランプが備えられています。
もし走行中に水温警告ランプが点灯した場合は、安全なところに車を停車してオーバーヒートしないようにエンジンを停止しましょう。
その際にはエンジンルームをすぐには開けないようにしてください。エンジンルーム内で熱くなったクーラント液が噴き出していた場合、やけどの危険があります。
ラジエーターの点検方法は?
ラジエーターとは、エンジンの熱を吸収して熱くなったクーラント液を冷却する装置です。主に車前方のバンパー内部に設置されていて、走行中に風を受けてラジエーター内部を通るクーラント液を冷却するようになっています。
一般的な点検方法は、エンジンルーム内にあるラジエーターのリザーバタンクを見て、タンク内のクーラント液の水量や汚れ具合を点検します。
水量は上限と下限の間に水面があれば正常となります。また、汚れ具合は色を見て鮮やかな赤色もしくは緑色であるかどうかを確認します。
また、エンジンが冷えていればラジエーター上部にあるラジエーターキャップを開けてラジエーター内部を目視することもできます。
もしこのときにラジエーターキャップの内側に黄土色のヘドロのような物質が付着している場合は、エンジン内部でクーラント液の流水回路にオイルの流入が発生していることを示します。このヘドロが多い場合は早めにエンジン内部の漏れを修理したほうがよいでしょう。
ラジエーターの外観を点検する際は、エンジンルームや車の前方から直接目視するという方法をとることになります。車種によってはラジエーター周りに隙間がなくて目視できない場合もあります。
ラジエーター外観につぶれた部分や水漏れの跡がついていないかを目視で点検します。ちなみに、もし水漏れの部分がある場合は、その部分が濡れていたり赤色や緑色もしくは白っぽい垢のようなものが固着していたりします。
ラジエーターキャップの点検方法や交換時期は?
ラジエーターキャップは、一般的には2~4年毎に交換することが良いとされています。
ラジエーターキャップとは、ラジエーターの上部についているラジエーターのフタのことです。このラジエーターキャップの役割はただ栓をするだけではなく、ラジエーター内の圧力を調整したり、リザーバタンクとの間でクーラント液のやり取りをおこなうという重要な役割を任っています。
ラジエーターキャップには、ラジエーター内の圧力を調整するためのスプリングや接触面の密閉を高めるゴムがついています。これらの部分が劣化するとラジエーターの冷却性能が低下してしまうので、早めの交換が推奨されています。
ラジエーターの修理やラジエーターキャップの交換費用
ラジエーターを交換修理する場合は少なくない費用が発生します。
車種にもよりますが、一般的な軽自動車で部品代と工賃で3~5万円前後、普通車であれば5~8万円前後の費用がかかると言われています。
金額が大きいほど修理する場所によって金額の差も出てきますので、修理時の概算についていくつかの修理店で比較検討してみると良いでしょう。
一方で、ラジエーターキャップはカー用品店などでは1000円程度で買うことができます。