車検時にブレーキパッドの消耗具合を指摘されて交換の判断を求められるケースは多いです。
「ブレーキパッドが減ってますよ」と言われると交換した方が良いかなと思ってしまいますが、車検を通すこと自体にはブレーキパッドの交換は必須ではありません。
判断の目安としては、次回の車検まで交換しなくても大丈夫かどうかです。
必要最低限のブレーキパッドの交換目安についての参考にしていただけたらと思います。
車検でのブレーキパッドの交換目安は?
ブレーキパッドが残り2~3mm程度まで減っていたり、ブレーキを踏んだ時に大きな異音が出ているようであれば、ブレーキパッドを交換したほうが良いでしょう。
実は車検ではブレーキパッドの残量に関する規定がありません。ブレーキの検査で制動力など適正な数値が出ていれば、ブレーキパッドの残量が少なくても車検に通ります。
ただ、一般的にはブレーキパッドの交換目安は残り3~4mm程度と言われていますし、ブレーキパッドの残量が少ないほど摩擦熱による影響が出やすいとされています。
また車種によって異なりますが、ブレーキパッドの残量が極端に少なくなると、ブレーキパッドに取り付けられた残量確認用の金属片から大きな音が出たり、メーター内の警告灯が点灯して交換を促すようになっています。
ブレーキ残量センサーがついていない車種も多くありますので、ブレーキパッドは早めに点検・交換するほうがよいでしょう。
ブレーキパッドの厚みや適切な残量の範囲は?
一般的な乗用車のブレーキパッドは新品状態で10mm程度あり、半分の5mm以下になると摩擦熱による影響が出やすくなるなど性能低下が出てくると言われています。
あくまで一般論ですが、ブレーキパッドの適切な残量の範囲は、新品状態の10mmから5mmくらいと言えるでしょう。
実際、多くのお店では車検や点検などで「ブレーキパッドが半分以下になってきているので、そろそろ交換したほうが良いですよ」と交換を勧めることが多いようです。
とくに、急な山道をよく走行する場合などは、街中の走行よりもブレーキの摩擦熱の増加量が多いため、ブレーキパッドが少ないとブレーキフルードに熱が伝わりやすくなります。
また、ブレーキパッド自体も熱を持ちやすく劣化が進みやすくなります。
ブレーキパッドの寿命を判断する年数や異音とは?
一般的に、ブレーキパッドは走行1万キロで1mm減少すると言われています。
ですので、1年に1万キロ走行する方であれば、5年ほどでブレーキパッドの交換を考えたほうが良いとされる残量半分に達します。
もちろん、走行する道路の交通状況や運転の仕方によってブレーキの使用量に大きな違いが出てきますので、一概に走行距離や年数で判断することはできませんがひとつの目安となるでしょう。
また、ブレーキから発生する異音にはいろいろな種類があり、音によって必要な対応も変わってきます。
例えば、通常の走行時にブレーキをゆっくり踏んで車が停止する直前に、軽い「キー」という音や小さく「クー」という音がブレーキから聞こえる程度ならとくに問題はありません。
参考:車の異音でキーキー鳴る原因は?足回りや発進時、ブレーキ時の理由と修理代について
また、停止時や発進時に小さな「コン」や「カン」という音が聞こえる場合もとくに問題はありません。
しかし、ブレーキを踏んだ時に「ギー」や「ゴー」という大きな音がする場合は、ブレーキパッドが極端に減っていたり不具合が出ていることが考えられます。また、ディスクローター側が異音発生の原因の場合もあります。
また、ブレーキを踏んでいない時にブレーキから音が出ている場合も、ブレーキの引きずりやその他の不具合が考えられますので、これらの症状が出ている場合は速やかに整備工場で点検・交換をしてもらうことをおすすめします。
ブレーキパッドの交換費用の相場は?車検時には交換する方が工賃は安いのか
車種やお店によっても違いますが、ブレーキパッドの交換工賃はフロントもリアもそれぞれ左右交換で5,000~10,000円ほどです。
また、一般的なブレーキパッドの部品代はフロント・リアそれぞれ左右セットで3,000~10,000円ほどです。
ちなみにスポーツカーや高級車などではブレーキパッドの部品代だけで数万円する場合もあります。
ディーラーや整備工場で車検をお願いする際、一般的にはタイヤをはずして点検整備をしますので、作業内容的にはブレーキパッドのみの交換作業よりもタイヤをはずす工程のぶん手間が省けることになります。
そのため、車検時に一緒にブレーキパッド交換をお願いすると通常のブレーキパッド交換より工賃が安くなる場合もあります。
もちろんお店によって対応は異なりますので、車検の予定がある場合は事前に工賃を聞いてみるとよいでしょう。