ヘッドライトをLEDにすることで車検に通らないということはあるのでしょうか?
結論から書くとLEDのヘッドライトが保安基準に抵触することはありませんが、場合によっては光度が基準に満たないケースもあるので注意が必要です。
また、取り付けの方法によって保安基準を満たさないケースもあるので、ヘッドライトを交換する際には注意したい点はいくつか存在します。
ここでは、社外LEDヘッドライトに交換した際の車検の扱いや、保安基準に抵触しないための注意点についてまとめていますので、社外LEDヘッドライトに変更した方や変更を予定している方は是非参考にしてみてくださいね。
社外LEDヘッドライトに交換すると車検に通らないのか?
純正のハロゲンヘッドライトやHIDヘッドライトを社外品のLEDヘッドライトに交換しても、道路運送車両の保安基準に適合していれば車検に通ります。
ヘッドライトに関する保安基準では、ヘッドライトの明るさ(光度)や光の照らす向き(光軸)などの基準が詳細に決められていて、これはハロゲンやHIDなどのシステムの違いを問わず同一の基準となります。
具体的には、例えばヘッドライトの明るさは一灯につき6400カンデラ以上の光度が必要で、光度の上限はハイビームで43万カンデラ(2015年以降)となっています。
2015年以降、車検でのヘッドライトの検査はロービームでおこなうことになっていますが、実はロービームには光度の上限がありません。
ただ、一般的な車のロービームの平均値が2万~4万カンデラと言われていますので、どんなに明るいLEDヘッドライトに交換しても車検の際に明るすぎで問題になることはないですが、それよりも社外LEDヘッドライトを使用している場合には光度不足の可能性のほうが問題となります。
社外品の品質や車のヘッドライトの形状によっては光が拡散してしまい、実際に車の前方を照らす照度(ルクス)が純正ヘッドライトよりも低下して車検時に光度が不足してしまうことがあります。
車検の際にヘッドライトの明るさを表す基準となるカンデラは「照度(ルクス)×25×25」という数式で算出されるため、照度が少し下がるだけでカンデラが大きく低下してしまいます。
ちなみにこの計算式にある25というのは、ヘッドライトから計測地点までの計測基準距離25mになります。
また、ロービームでの検査ではヘッドライトのカットラインがしっかり出ている必要もあります。カットラインというのは、対向車が眩しくないように光の中心より右上部分の光がカットされてできる光の境界線のことです。
このカットラインがしっかりと出ていないと車検に通すことができない場合がありますので、明るさとともに注意が必要となります。
ヘッドライトが明るすぎだったりレンズの色で車検に通らないことはある?
ヘッドライトの光の色は道路運送車両の保安基準で白色と決められています。
ただ、2006年1月1日以降に作られた車は白色のみで、それ以前からある車では白色とともに淡黄色の光のヘッドライトも使用が認められています。
もちろん白色と言っても色温度(ケルビン)には幅があります。例えば、少し黄色っぽい光の純正ハロゲンヘッドライトは約4500ケルビンで、白っぽい光のHIDヘッドライトだと約6000ケルビンとなり、同じ白色でも幅があります。
一般的に8000ケルビン以上の光は青っぽく見えるようになり、反対に4000ケルビンを下回ると光が黄色く見えるようになります。
これら8000ケルビン以上や4000ケルビン以下の色温度の光だと車検に通らない可能性が出てくると言われていますので、ヘッドライトを社外品に交換する際は注意が必要です。
ヘッドライトをLED化する際の注意点は?
光の明るさや色に注意するのはもちろん、装着時にカットラインがしっかりと出る品質の良いLEDバルブを選ぶことが必要となります。
特にLEDの光は白っぽいことから目視では明るく見えるのですが、光度計の数値でみると実際の見え方よりも暗い(光度が低い)ことが良くあります。
そのため、車検時にテスターで計測した際に光度不足となって車検に通らないという状況が発生してしまう場合があります。
また、品質があまり良くないLEDバルブを使うと、純正ハロゲンランプと比べて光の発生位置がずれてカットラインがきれいに出ない場合があります。
社外品のLEDバルブを購入する際はこのあたりにも注意して選ぶことが必要となります。
LEDヘッドライトのデメリットとは?
LEDヘッドライトは、発熱が低いことによる降雪時の融雪性能や、光の特性によって眩しさを感じやすいという点がデメリットとしてあげられます。
近年ではLEDヘッドライトも一般的なものとなり昔と比べて価格も手ごろになってきました。また、製品によって差はあるもののLED自体はハロゲンやHIDと比べて低発熱・長寿命とされています。
この低発熱ゆえに降雪時にヘッドライトについた雪が解けにくいデメリットがあると言われています。ただ、雪の降り方によっては発熱量の多いハロゲンタイプであってもヘッドライトに雪がついたままになることがありますので、それほど気にする必要はないかと思います。
また、LEDはその光の特性からハロゲンなどの光よりも眩しさを感じやすいと言われています。ですので、なるべく品質の良いLEDを選んで光の拡散やちらつきが少ないものを使用するようにしましょう。