車検時の項目の一つにウインカーに関するものがあります。
ウインカーの高さや大きさ、色や数といった細かい点までチェックされるので、純正から手を加えている場合は注意が必要です。
現状のウインカーで基準を満たしているか気になるという方は、車検時のウインカーの基準を確認しておくと当日になって慌てる必要はありません。
逆に言うと、改造していたとしても基準の範囲内であれば全く心配いらないので、車検時に元の状態へ戻す必要もありません。
ここでは、気になるウインカーの基準についていくつもある項目ごとにお伝えしています。
車検時のウインカーの高さの基準は?
車のウインカー(方向指示器)の取り付け高さは、道路運送車両の保安基準によって「指示部の上緑の高さが地面から2.1m(側面部は2.3m)以下、下緑の高さが地面から0.35m以上」と決められています。
また、高さだけではなく左右の取り付け基準についても「指示部の最縁内の間隔が0.6m以上、指示部の最外縁は自動車の最外側から0.4m以内」と規定されています。
純正状態のまま車に乗っている場合であればもちろん問題ありませんが、車高を下げるカスタマイズをしている場合などは注意が必要です。
例えばトヨタ86やダイハツムーブなど、車種によってはフロントバンパーの低めの位置にウインカーが設置されていることがあります。
このような車種では車高を下げると保安基準に抵触する場合もありますので注意が必要です。
同じように、エアロバンパーに交換してカスタマイズをしたりウインカーを社外品に変更する場合なども、ウインカーの取り付け位置に注意する必要があります。
ウインカーの大きさや面積、数の規定は?
道路運送車両の保安基準によって前後ウインカーの大きさは20平方センチメートル以上と決められています。
最小サイズで縦4センチ横5センチや縦3センチ横7センチくらいの大きさということになります。
ウインカーの大きさの上限は決められていませんが、取り付け位置の範囲や明るさなどが厳しく規定されていますので、仮に純正のウインカーの形状とは違うものに交換する場合でも常識の範囲の大きさに収まることになるはずです。
また、ウインカーの数も左右にひとつずつあれば、数の上限は決められていません。
ただ、これも厳しい規定に抵触しないように取り付けるとなるとかなり限定されるでしょう。
おそらく、車検でウインカーの規定を気にする方は、数を増設するというよりも純正のウインカーをシーケンシャルウインカーなどに交換したいという場合が大半なのではないでしょうか。
ウインカーの色や明るさ点灯回数の規定は?赤でも車検は通るのか
ウインカーの色はオレンジ色の系統であることと保安基準で規定されています。
ただ、1973年11月30日以前に登録された車種は当時の保安基準で赤色のリアウインカーも合法となっていたため、赤色でも問題ないことになっています。
ウインカーの明るさについては、昼間に100m離れた距離から視認できて、他の交通の妨げにならない明るさであることと規定されています。また、その光源のW数が15W以上60W以下であることと規定されています。
LEDタイプに交換している場合で光線が眩く感じるほど明るい場合などは、車検で検査員に指摘される場合もあるとのこと。
ウインカーの点灯回数は毎分60回以上120回以下と規定されています。
こちらも、LEDランプに交換した場合などに点灯速度が速くなってしまう「ハイフラッシャー現象」が発生することがありまので、点灯速度にも注意が必要となります。
サイドやドアミラーのウインカーに関する規定は?
サイドウインカーやドアミラーウインカーは、横からだけではなく後方からも見えるようになっていなければいけないと規定されています。
具体的には、ウインカー取り付け部から車のサイド部と平行に引いた線より5度外側の車後方からウインカーの光が認識できる必要があります。
サイドウインカーは、車種や年式によっていろいろなタイプかありますが、基本的にはフロントウインカーがサイド側からも視認できる構造になっていたり、フェンダーやドアミラーにサイドウインカーが設置されていることが多いです。
ドアミラーウインカー装着車が徐々に増えてきた過渡期にサイドウインカーの保安基準が変更されたこともあって、車種によってはフェンダーとドアミラーの両方にウインカーがついている車種もあります。
その場合、ドアミラーウインカーがオプション扱いとなっている車種では補助ウインカー扱いとなるため、フェンダーウインカーを取り外すと車検に通らなくなります。
また、光が流れるタイプのシーケンシャルウインカーは「車の内側から外側に向かって点灯すること」と規定されているため、サイドウインカーには使用できません。
ドアミラーウインカーの場合は、一見すると車の内側から外側に向かって点灯するように見えるのですが、現状では車検NGとなることが多いです。